Dance Speaks? ダンスは何を語る? No.2

東京芸術劇場

 

第二弾です。

前回はこちらからご覧下さい。

ダンサーさん達の反応

悩みながらも

全身でぶち当たる事を決めた私の行動は

ダンサーさん達にどう響くのかわかりませんでしたが

結果、

皆さん予想を上回るパフォーマンスをしてくれました。

こんなに嬉しいことはありません。

 

公演後の彼らのインスタグラムには

願ってもない嬉しい言葉が並びました。

 

「何か覚醒した」

「音楽サイコー!身体めちゃめちゃ動く!何この感覚!?楽しい!!」

「自分じゃないみたい。身体の中に眠っていたギアが急にガチャンって動き始めたような感じ。」

「自分の中で殻が破れた」

「自分の限界の幅が広がりました」

「身体の限界も精神の限界もまとわる空間の限界も、全ての限界を突破した作品でした」

「迷っていたものが吹っ切れて、前進できた」

 

感無量という言葉以外に

この嬉しさを表現できる言葉があるのかわかりませんが

嬉し泣きでした。

 

これらの反応について考える事も多くありました。

クラッシックバレエのみを踊ってきたダンサーに与える

他分野のダンススタイルなどの影響、

改めて書こうと思います。

 

お客様の反応

お客様の意見をTwitterで

ストレートに拝見する事ができる。

これは自分にとっては

とても勉強になりました。

多くの嬉しい言葉をいただきましたが

相反するコメントも。

「ダンサーの身体的満足度は高そうだけど、作品から伝わるものはない」

「ダンサーが作品を咀嚼する対象がない」

「私には全く響かなかった」

 

なるほど。

つまりメッセージが伝わらなかったお客様もいた。

 

咀嚼できるものがあったのに

なかったと思われてしまったのは

残念だけれども、私の力不足。

身体的なダイナミックさや

個性とエネルギーの放出を

まず優先した私の指導の

バランス感の悪さ。

 

「ダンサーの身体が客席に飛び込んで刺さる感覚」

「マラサングレ、最高でした! 久しぶりに血湧き肉躍る気持ちになりました」

 

こちらのコメントにそれが現れていますね。

私はこの感覚を間違いなく求めていたので

成功とも受け取れますが

メッセージが伝わるのよりも

身体的な部分が勝ってしまい

他の重要なポイントが

ぼやけてしまったのかもしれない。

 

最後に振付家から

新しいメッセージの方向性が

伝えられた事から生まれた

混乱もあったはず。

 

「マラサングレは楽しい舞台。力強くて、こちらの心も躍る」

心を躍らせて欲しかった私としては

もちろんとても嬉しいのですが、

”楽しい”という表現、

その言葉自体も多くの意に取れる…

ピントのズレたパフォーマンスを

提供してしまったのかもしれない

との感もあります。

 

もちろんメッセージが

きちんと伝わっていた方々の

コメントもありました。

 

「エキセントリックで挑発的な人物と書かれていて、

まさにそんな踊り!狂気とエネルギーを同じくらい感じる」

「マラサングレはノリの中から覗く皮肉めいた黒が刺激誘う作」

「マラサングレはアップテンポで楽しい風にしながら、偏見や世への皮肉をまとっているような」

「『マラサングレ』という作品は、ラテンの女王ラ・ルーペをテーマにした作品だったのですが、本当に素晴らしかった。 冒頭に小山監督が「卑猥」という表現をしていたのが印象的で、確かに性的表現も。 すごい熱量でした・・・」

「「マラサングレ」(日本初演)には大興奮です激しくて強烈で、でもユーモアも交えた振付・構成が最高」

 

これらのコメントを下さった皆さん

おそらく小山監督のプレトークを

お聴きになっていた、または

プログラムの説明をお読みになった…。

 

もし何も知らなかったら

どのように受け取られたのだろうか?

と考えずにはいられません。

矛盾

わかりやすくお話しなさる

小山監督の言葉が作品の理解を深め

皆さんがより楽しんで頂くことに

嬉しいと思う反面、

お客様の解釈は自由であるべきで

本来の作者(振付家)の意図と

違っていても

それは構わない。

 

コンテンポラリーダンスは

わからないと良く聴きますが

お客様のわかりたい気持ちを理解しつつ

わからなくても良いのでは?

といつも思っていました。

 

何らかの形で観る方々の

心を動かせたのならば

そこに芸術の意味があると

常に私は考えています。

 

自分の指導力不足

またはバランスの悪さを

隠したいわけではありません。

 

ただ自分自身で

自分のコメントや

悩みの辻褄が合わないことに

気づいただけです。

 

作者の意図を正しく伝える事は

もちろん大切です。

自分の仕事の重要な要素の一つです。

ですが、個々のダンサーさん達が

各自の異なった理解をし

個性のあるパフォーマンスをするのと同じように

観ているお客様が

各自の異なった理解をするのも当然。

それがアートが人間に与える

素晴らしい要素だと思います。

芸術から多様性は奪えない。

 

振付家カィエターノが頻繁に言う言葉。

「お客様が自分の作品を

好きか嫌いか、

正直どちらでも良い。

どちらも成功。

可もなく不可もなく…が一番残念。」

 

初めて身を持って

彼のいう言葉を

理解した気がします。

 

まだまだ経験すべきことも

理解していないことも

学ぶ事も多い。

いつでも多くを吸収できる器を持った

人間であるよう志して

また新たなお仕事に立ち向かっていきます。

 

コメントをくださった皆様

本当にありがとうございました。

多くの事を考えさせていただきました。

感謝いたします。

 

写真:東京芸術劇場、池袋

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