Dance Speaks? ダンスは何を語る? No.1

sagrada familia

 

今回はダンサーさん達へのお手紙ではなく

自分自身への手紙です。

数年後に読んで

なんてあさはかな

と思うのだろうなと考えつつ…。

 

スターダンサーズバレエ団

貞松浜田バレエ団共同制作

カィエターノ・ソト振付

「マラサングレ」

 

スタッフの皆様の

多大な貢献を受け、

 

ダンサーさん達の

誠意こもった

作品に対する取り組みの成果が実り、

 

お客様からも多くの嬉しい

そして考えさせられる反応をいただき

感無量です。

 

迷いも多くありましたが

自分も全力で両バレエ団の

公演の成功、

 

そしてダンサーさん達の

心に少しでも

何かの形で触れることかできた

…のかもしれない(?)

との実感を感じられた事が

何よりも嬉しく

ほっとしています…

 

 

もちろん反省点

疑問点も残り

今後このお仕事を続けていく上で

考える事は多く

自分自身の思考をまとめるためにも

少し文章にしてみました。

 

正直なところ

皆様から共感を得られる内容ではないと思いますが

ご興味のある方は覗いてみてください。

 

ダンサーの身体は語っていた?

踊りは言語を持たない表現方法の一つ。

絵画や彫刻などの「静」の芸術と違い

「動」の芸術であり

形が残らない。

 

生身の人間が

その日、その一瞬に産み出す。

 

だからこそ毎日の精神状態や

身体的なコンディションが

違いを及ぼします。

 

そして演劇とも違い

言語が伴わないからこそ

身体が語らなけらばならない。

 

今回のスターダンサーズバレエ団の

「DANCE SPEAKS」

”ダンスは語る”

は完璧なタイトルだと思いました。

 

さて今回の公演で

ダンサーさん達の踊りは

語っていたのでしょうか?

 

*今回のプログラムは3作品の上演でしたが

私が担当した作品「マラサングレ」

にのみ焦点を当てた文章です。

 

カルチャーのカクテル

マラサングレは「ラテンの女王」

ラ・ルーぺの人生に

インスピレーションを受けて

作られた作品。

振付家カィェターノ・ソトが

ラ・ルーペのどこに、なぜ、どうして

心を動かされたのかを知っている

私にとっては

この作品のメッセージ性は

強く、濃くある。

言葉では明確に伝えられる。

 

短いリハーサル期間。

複雑で早い振付。

(皆さん…

始めはてんぱってました!)

ダンサーさん達には

高度な音楽性、

かつ身体能力が求められ

それだけでも大変なのに…

メッセージを伝える事が求められる。

 

ダンサーさん達の身体が語る内容が

観客に伝わらなければ、

振付家の意図するメッセージを

ダンサーが表現できるまでに至らなければ

自分の指導力不足。

 

原点になるのはラテンの女王。

風変わり、かつ奇抜で

彼女が生きた時代風景には

かなりアバンギャルドなキューバ人の歌姫。

 

コンセプト(振付、衣装、照明)は

スペイン人の喜怒哀楽も気性も激しい振付家。

 

表現者は

日本人のクラッシックがベースのバレエダンサー。

 

指導者は私。

このカクテルはどうなるのか?

 

振付者や私と

育った文化も年齢も

かなりギャップのあるダンサーさん達

おのずと理解できる感覚も変わってくる。

そんな彼らにどのように作品の意図を伝えるのか…

自分なりにイメージを伝える方法を試行錯誤し

作品制作の過程などの説明も多くしました。

けれでも…まず

温度差が格段に違う。

ラ・ルーペもカィェターノも

多くの意味で劇的で激しい…。

 

とりあえず第一段階として

温度差のギャップを埋めるべく

身体能力と放射される熱量の上昇が課題になりました。

 

作品は生きている

言葉というのは難しい。

繊細なニュアンスを

汲み取ってくるダンサーさん達

同じ言葉でも各自の受け取り方が違う

でもそれが表現力の個性に繋がると信じていますので

それは良い、願ってもない事。

ただお恥ずかしい事に、

私の言語能力も誉めたものではありません…。

 

そしてカィェターノとのズーム当日

初めて聞くような言葉が

彼から私達に伝えられました。

 

ある意味それも当然。

彼も生身の人間。

同じ作品でも彼自身が年齢を重ね

感じること、経験している事が違い

ダンサーさんに表現して欲しいことも変化する。

作品が生きているという証拠。

だから面白い。

 

ただその結果私が伝えていた

以前のメッセージに

多少のズレが生じ

ダンサーさん達に

混乱させてしまったのかもしれません。

 

全て説明をすることは割愛しますが

簡潔に言うと

憤り、ストレス、動物的、

かつ衝動的で激しく

暗く、不気味でもある

が以前の彼のメッセージ。

 

そこに今回新しく加えられたメッセージは

人生のビタースイートな面、

(良い時期も、悪い時期もある)

社交、パーティ

大人が子供っぽく遊ぶ感覚

など…

かなり驚きの言葉が並びました。

 

今までに同じ作品を

欧米の5つのカンパニーで指導しましたが、

それぞれ個性が違いますので

まるで違う作品に仕上がりました。

けれども作品の意図がここまで

新しく塗り替えられたのは初めて。

 

新たな課題

ただでさえ課題はまだ多いのに

伝えるメッセージの方向にも

バライティーが出てきた。

さてどんなアプローチをするべきか…

と考えましたが、

カィェターノとのズームリハーサルに

ダンサーさん達は皆参加していました。

しかも一部のダンサーさん達は

英語がわかる。

他のダンサーさん達は

言葉の壁はあるものの

もちろん自分が通訳をしていましたし

感じた事があっただろうと…。

大丈夫なのではないか…と。

 

ところがその日たまたま

オンラインミーティングと

実際に対面で話した場合の

脳の波長の違い、

感情の読み取りや

共感度が違うと

書かれている記事を読み

伝わっていないのかもしれないと

改めて考えました。

 

カィェターノとのズームリハーサル後

スタジオでダンサーさん達と

直接向かい会えるのは

残る1日。

劇場でのリハーサルが始まると

作品全体(照明、音楽、衣装など)も

包括して見る

その他多くの決断も決断する

責任があり

どうしても距離感が生まれる。

何を伝えるのか

どうしたら適切なメッセージが伝わるのか

どうしたらダンサーさん達の意欲を高めつつ

作品の意図を身体で表現するレベルまで

彼らをガイドできるのか…。

考え過ぎて分からなくもなりましたが、

結果はシンプル。

できる事はただ一つ。

 

私が思う事を率直に伝える。

聞きたくないであろう事も

全身全霊で話し、

彼らの魂に訴えかける!

 

何だか多分…

熱血教師みたいになっていたと思います。

内容を全て理解してくれたか分からない。

私の意見に同意しないダンサーさん達も

もちろんいました。(感じました)

でもきっと熱量は伝わったと思いたい。

これが自己満足で終わるのか

ダンサーさん達は答えてくれるのか?

続きはこちら

写真:バルセロナ、サグラダファミリア

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