「頑張る」は便利…でもその言葉のもたらす成果は?

Taranto Italy

 

英語に「頑張る」という

動詞がないことに

今気づきました

Give some effort 

Try hard

I will do my best

などがありますが

時と場合により言い方も違う。

 

ドイツ語にも一文字の動詞としての

「頑張る」は

なかったです。

 

目次

便利な「頑張る」

日本ではこの「頑張る」

便利に多くのシーンで使われますね。

 

どこまで「頑張る」のかの判断は

大人にも困難なのはもちろんですが

青年期の若い方々子供には無理…に近い。

 

ダンスやバレエの世界でも同じ。

何かが上手くいかない時

壁にぶち当たってしまった時

「頑張れ」と言われても

 

具体的にどのようにすれば…

どのくらい「頑張る」のか…

 

となってしまいますよね。

 

Coping/対応?

個人的には「頑張る」

という感覚が英語の

Coping

に近いのですが…

感覚的ですし

あくまでも私の主観です!

 

こちらの”Coping”

日本語に直訳すると

対応、対処

になってしまうのですが…

ダンスサイエンスの課題制作のために

文献を調べていたところ

こんな文章を見つけました。

 

Nicholls et.al.2009 

Coping is used to manage a lot of sports-related stressors such as making errors, watching others perform well, receiving criticism from coaches as well as rapid physiological, social, emotional and cognitive changes associated with adolescence ( as cited in Sobash, 2012, p.62). **

 

下手な翻訳で失礼します… ↓

 

対処(=Coping )は

スポーツにおける多くのストレス

例えば失敗してしまったり

仲間が上手く達成するのを見たり

コーチからのダメ出しを受けたり

そして青年期に起こる

身体、環境、感情、認知の急激な変化

に対応するために使われる

 

** Samantha Sobashさんの 

「コンペティティブなダンスの心理学」

~青年期のモーティベーションの研究から 

(参照欄をご覧ください)

 

深く納得。

そしてこれらのストレスの対処法として

「頑張れ」が使われる。

 

ん?

それでいいのでしょうか?

 

フランス人女性が語る「頑張る」

一月ほど前に

是枝裕和 監督の

「万引き家族」という映画についての

ドキュメンタリーを

フランスとドイツの共同番組

ARTEで拝見しました。

 

ドイツではYouTubeで見れたのですが

日本では…見れないです。

 

その中で日本の文化に精通されている

フランス人女性が

「頑張る」について

コメントをなされていました。

 

…もっと前に、早くから、頑張っていれば

こんなことにはならなかった…

日本は恥の文化

 

そして映る通りにしゃがみ

もうろうとしながら

太極拳に似たような動きをしている

年配のホームレスの男性

涙が止まらなくなりました

 

まとめ

ダンスサイエンスに戻ります。

「頑張る」の程度と内容がわからないと

適度な箇所を通り越して

完璧主義になる可能性もあります。

 

いくつかの研究で

完璧主義の結果としての摂食障害

も指摘されています。

 

こちらのテーマも

時々出てきているのですが

今後深堀をしたいお話です。

 

どちらにせよ

まだまだ勉強不足で

詳しい事を書けるところまで

至っていないのですが

 

教える立場の大人、親の使う言葉

「頑張れ」は

最良の結果を引き出さないかもしれない

と感じています

 

ポジティブな意味で

応援をする場合は良いとしても

 

解決法が必要な状況には

何をどう頑張るのか

具体的に…

そこを助けるのが

きっと私達の役目です。

 

若い方達が

ただ盲目にゴールに突進する

その結果はさまざまで

必ずしも効果的とはいえない。

 

この内容を

「自己決定理論」

「ゴール・アチーブメント・セオリー」

などをベースにした研究を読み

学んでいる最中ですが…

 

多くの要素が

複雑に絡まり合い

わからない事も多すぎるようです。

 

もう少し内容が自分なりに消化できた時に

また書きます。

 

 

参照

Nicholls, A., Polman, R., Morley, D., & Taylor, N. (2009). Coping and coping effectiveness in relation to a competitive sports event: pubertal status, chronological age, and gender among adolescent athletes. Journal Of Sport & Exercise Psychology, 31(3), 299‐317

Sobash, S. (2012). The Psychology of Competitive Dance: A Study of the Motivations for Adolescent Involvement. e-   Research: A Journal of Undergraduate Work, 3(2),1-7.http://digitalcommons.chapman.edu/e-Research/vol3/iss2/3

 

写真:タラント、イタリア

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